歯周病について
歯周病の症状
私たちが歯を失う一番の原因は、実は歯周病です。しかも知らない間に進行し、気付いたときは手遅れで、一度に何本も抜けることが多く被害は甚大です。
歯の表面には、食事のたびにネバネバした薄い膜状のものが作られますが、これが歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊です。歯垢は石灰化すると硬い歯石になり、自分では取り除くことができません。歯垢1ミリグラムには、細菌が1億個もいるといわれ、これが歯肉に炎症を起こし、最後は歯を支える歯槽骨まで溶かしてしまいます。支えを失った歯は、まとまって抜け落ちてしまいます。
歯槽膿漏などの進行具合は
初期段階
■初期
歯の表面に少し歯垢や歯石がついています、
自覚症状はありません。
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骨の破壊なし
■歯肉炎
歯と歯の間の歯肉が赤く腫れぷよぷよします。
歯磨きをすると出血します。
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中等度の骨の破壊
■中等程度
歯の周囲の歯肉は赤く腫れます。
口臭・出血・不快感が自覚されます。
少し歯がブラグラします。
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重度の骨の破壊
■重度
歯肉は化膿し、腫れています。
支えの骨が溶けてしまいます。
そのため歯の動揺は大きくなります。
歯周病の原因
なぜ歯周病・歯槽膿漏になるのでしょうか?これらは虫歯と同じ感染症です。特殊な細菌により引き起こされていて、その細菌を媒介するのがプラーク(歯垢)です。ですから歯の周りにこのプラークが付いていないこと、あるいは歯石がついていないことが重要です。プラークは歯ブラシで落とすことが出来ますが、歯石は石のように硬く、また歯や根にしっかりとこびりついている為、歯ブラシでは落とすことができません。そのため、歯石を取るためには特殊な器具、装置が必要です。
それ以外にも起こす原因があります。それは「歯にかかる過大の力」「ストレス」「たばこ」「糖尿病」などですが、それらが複合的に関与して発症と進行をもたらしています。この中で最も問題なのがプラーク(歯垢)とたばこです。歯石は歯周病を引き起こす原因と考えられがちですが、歯石それ自体は引き起こすものではありません。プラーク(歯垢)の格好の住みかとなるため、そのままにしておくと細菌が増殖してしまいます。そのために定期的に歯石は歯科クリニックで取らなくてはいけません。ただ、歯石の沈着は個人差があるため、頻繁に取らなくてもよい場合もあります。つまり管理は自分自身で行うことが80%残りの20%が歯科クリニックにおいて行うこと。といってもいいと思います。
歯垢 プラーク中の細菌
歯周病を引き起こす細菌は、空気が嫌いです。歯周ポケットと呼ばれる歯肉の下に隠れて増殖します。まずは、目に見える部分の「プラーク」はブラッシングで除去します。どれだけ目に見える部分のプラークを除去できたかで、歯周ポケット内の細菌の量にも影響します。歯周ポケットの中の歯石およびプラークはスケーリングやルートプレーニング、PMTCで除去し、歯の周りおよび歯周ポケット内をきれいにします。
歯にかかる力の影響
歯には様々な力が加わります。それらの力がいろいろな条件の中で歯を弱めるように働くと、歯周病になりやすくなります。
歯にかかる力が強くなるようなお口の条件
- 噛み合わせが悪い。
- 歯ぎしりがある。
- 残っている歯が少ない。
- 奥歯ですりつぶすように噛む人。
これらのお口の条件の改善
- 噛み合わせの修正(ぶつからないようにする)。
- 歯ぎしりの治療(マウスピース)。
- 合う義歯の製作。
- 噛み方の修正トレーニング。